2020-04-20から1日間の記事一覧
逝くものはこゑもなくゆくささやかな流れの岸の梅の花野の川の川波たてばその花のかげもみだれてそはしばしゆらぎさざめく日暮れどき野はやがでほの昏けれどその花のもののあいろもさだめなく昏きあたりにただ一つその花のともす燈火(ともしび)――微笑 囁き…
天遠く晴れて月影白くほのかなり寂々として心を來り撲つは何我れはわが行かんと欲りしところを忘れ徘徊して古松の影に倚るわが生の日はすでに久しくあまたたび行路の轉變を見るこの心また落寞として願ふところことごとく絕つ來るものをして來るに任じ行くも…