星冴え
山山か黝くたたずみ
聚落寂莫として
灯火暗く睡れるに
丁鼕とはるかに馨あり
風死し
水渇れ
何ものの應ふるなきに
丁鼕と馨はひとり寒天に起り
闃たる彼方を步み來る
夜深くして睡らざるもの
凛烈たる意志
聽けそは如何に耳朶にこころよきかな
地表のものすべて今は結氷し 氷割れ 假死し
この尊ぶかき聚落の頭上滿天に
欄干たる星辰のみただ頻りにわななける折しも
ここに戞然として擊柝の馨路上にあり
そはわが窓下を過ぎ
遠く彼方に去る
頗る深省を發せしむるもの
まことに警世の馨といふべし
げにそは三更の夜陰を劈く
今日の日の凄烈たる意志――