『百たびののち拾遺』
わが手をとりし友ありき友はみな彼方に去りぬ 花ならば自(みづか)ら摧(くだ)く古き曆を破りされ ひややかに且はほのめくわれは自らわが手をとる 都のほとりの夜半(やはん)なりものの音は一つ一つに沈默す 夜半の袖もほころびしわれは自らわが手をとる …
わが手をとりし友ありき友はみな彼方に去りぬ 花ならば自(みづか)ら摧(くだ)く古き曆を破りされ ひややかに且はほのめくわれは自らわが手をとる 都のほとりの夜半(やはん)なりものの音は一つ一つに沈默す 夜半の袖もほころびしわれは自らわが手をとる …