2017-05-15から1日間の記事一覧
海は今朝砂の上にきて笑ふ巖のはなから月の出にゆうべまた若い女が身を投げた海は今朝砂の上にきて笑ふひと晩暈(かさ)をきてござつたお月さまは西の空に無慈悲な海よ薄情者よけれどもやさしくなつかしい今朝の海よ姿のない木魂のやうな夏の日の通り魔よ紺…
花の名を馬鹿の花よと童(わらは)べの問へばこたへし紫の花八月の火の砂に咲く馬鹿の花馬鹿の花三里濱三里の砂の丘つづきこの花咲きて海どりの白きむらがり古志(こし)の海日すがらここにとどろけり朱きふどしの蜑の子ら松の林にあらはれてわめきさざめき…